【書評】新高値ブレイク投資術
『新高値ブレイク投資術』
著者:DUKE
ジャンル:投資法、新高値
お勧め度:★★★☆☆
難易度:★★☆☆☆
本書の概要
本書はオニールの新高値の投資法を踏襲し、筆者独自のやり方を加えつつ紹介したものです。新高値銘柄の見つけ方から、新高値を付けた銘柄の中でさらに上がっていく銘柄の絞り込み方が紹介されています。銘柄の絞り方としては、テクニカルとファンダメンタル両方の面からのやり方が紹介されています。テクニカル面では、株価がある一定の幅で変動している領域を「ボックス」と定義し、あるボックスから次のボックスへ上抜けるところで買いを入れるという「ボックス理論」や、保ち合いの長さや値幅、カップウィズハンドルの形成などから、新高値後に急騰しやすい銘柄の紹介がなされています。ファンダメンタルズ面では経常利益が持続的に成長しているか、直近1~2年の経常利益が20%以上伸びているか、直近2~3四半期の経常利益の前年同期比が20%以上、売上高が10%以上伸びているかどうか、売上高経常利益率が伸びているかどうか、といった、収益性、持続性、確実性の3つの方向から、判断の仕方が紹介されています。
また最終2章では、ポジションサイズのマネジメントや損切の仕方などリスクをできるだけ回避する方法や、売り方買い方など、実践的な売買方法がたくさん紹介されています。
感想
題名からもわかる通り、オニールの新高値投資法の紹介であった。『株の公式』と内容は近いが、本書のほうがテクニカル面の紹介も多く、テクニカルとファンダメンタルのバランスが取れているのが特徴だろう。テクニカルなどの最低限の知識は必要となるが、新高値銘柄の探し方や、決算書の見方など、初心者を想定して丁寧に解説してくれているので、初心者でも読みやすく、また実践しやすい内容となっている。
本書は筆者の失敗談や成功談がふんだんに盛り込まれており、面白く、さらさらと読み進めるので、新高値系の導入としては非常に優秀である。
【書評】株の入門書
『株の超入門書』 改訂2版
著者:安恒 理
ジャンル:入門
難易度:★☆☆☆☆
お勧め度★★★★☆
・本書の概要
本書では株式投資をするにあたって最低限必要になるであろう知識が述べられています。第1章ではそもそも株とは何なのか、という話から始まり、第2章では証券会社での口座の作り方から注文の出し方など株を実際に買うために必要なことが述べられます。第3章では銘柄の選び方について書かれておりPERやPBRといった用語も解説されています。第4章ではトレンド系を中心としたテクニカルについて書かれています。テクニカルといってもロウソク足の見方から説明されているので初心者でも十分理解できます。第5章では投資のテクニック、第6章ではやってはいけない投資、第7章では確定申告やNISAなどの豆知識がまとめられています。
・感想
初心者向けで、実際投資をやっている人であれば知っている内容がほとんどかと思います。
私自身はこの手の内容はほとんどネットから仕入れていたので、本で体系的に確認できたのは非常に良かったです。ロウソク足も詳細な意味など、ところどころ知らない知識出てきて、勉強になる場面もありました。超入門的な知識から、実際にトレードに応用できる知識まで幅広く書かれているため、今から投資を始めるという人は必読だと思いますし、多少投資をかじった方も知識の確認にさらっと読んでみると面白いかと思います。図や絵が非常に多く、文字も大きいのでさらっと読むことが出来ます。
【書評】株の公式
『株の公式』
著者:林則行
ジャンル:投資法、新高値
お勧め度:★★★☆☆
難易度:★★☆☆☆
・本書の概要
テクニカルを知らなくても、決算書の読み方を知らなくても、『株の公式』に銘柄を当てはめるだけで『大化け株』が見抜けるというもの。
本書が掲げる『株の公式』とは12個のルールから成り立つ
【買いの公式】
①数年来高値を更新しているかどうか
②新高値の位置が適切かどうか(高値更新の前に保ち合い圏が形成されているかどうか、過去最高値からの下げ幅から6割以上戻しているかどうか)
③経常利益が過去5~10年間に年平均7%以上成長しており、また減益がないかあったとしてもごく小さなものであるかどうか
④直近1~2年の前年同期比の経常利益の伸び率が20%以上であるかどうか
⑤直近2~3四半期の前年同期比の売上の伸び率が10%以上であるかどうか
⑥直近2~3四半期の前年同期比の営業利益、経常利益、純利益の伸び率が20%以上であるかどうか
⑦不況や円高など会社にとって不利なことが起きた場合でも成長し続ける銘柄であるかどうか
⑧PERが60倍以下であるかどうか
【売りの公式】
⑨直近の前年同期比の利益の伸び率が20%を下回ったら売り
⑩会社の不正は即売り、事故は原則売り
⑪売りはファンダではなくテクニカルで判断する。(本書では筆者考案だという「売り圧力レシオ」のによる判断が推奨されている。)
⑫買値から8%前後下がったら損切
・感想
オニールの新高値の理論をもとに、『株の公式』という形で判断基準を明確にしているのが本書の特徴であろう。本書の中で前提知識を必要としない、と述べられている通り、公式を理解するのに必要な用語や、公式を扱うために必要な情報源などはすべて本書の中で解説されており、本書1冊で公式の内容が実践できるものとなっている。
本の中では豊富なチャート、事例が紹介されており、本文を読みながらそれらのチャートや事例を精査していけばかなりの実力がつくであろうし、公式という形で着眼点がまとめられているため、非常に実践的であると言えるだろう。
チャートの見方や、株の基本用語など、ある程度の知識がある方にはお勧めである。