【書評】株の公式
『株の公式』
著者:林則行
ジャンル:投資法、新高値
お勧め度:★★★☆☆
難易度:★★☆☆☆
・本書の概要
テクニカルを知らなくても、決算書の読み方を知らなくても、『株の公式』に銘柄を当てはめるだけで『大化け株』が見抜けるというもの。
本書が掲げる『株の公式』とは12個のルールから成り立つ
【買いの公式】
①数年来高値を更新しているかどうか
②新高値の位置が適切かどうか(高値更新の前に保ち合い圏が形成されているかどうか、過去最高値からの下げ幅から6割以上戻しているかどうか)
③経常利益が過去5~10年間に年平均7%以上成長しており、また減益がないかあったとしてもごく小さなものであるかどうか
④直近1~2年の前年同期比の経常利益の伸び率が20%以上であるかどうか
⑤直近2~3四半期の前年同期比の売上の伸び率が10%以上であるかどうか
⑥直近2~3四半期の前年同期比の営業利益、経常利益、純利益の伸び率が20%以上であるかどうか
⑦不況や円高など会社にとって不利なことが起きた場合でも成長し続ける銘柄であるかどうか
⑧PERが60倍以下であるかどうか
【売りの公式】
⑨直近の前年同期比の利益の伸び率が20%を下回ったら売り
⑩会社の不正は即売り、事故は原則売り
⑪売りはファンダではなくテクニカルで判断する。(本書では筆者考案だという「売り圧力レシオ」のによる判断が推奨されている。)
⑫買値から8%前後下がったら損切
・感想
オニールの新高値の理論をもとに、『株の公式』という形で判断基準を明確にしているのが本書の特徴であろう。本書の中で前提知識を必要としない、と述べられている通り、公式を理解するのに必要な用語や、公式を扱うために必要な情報源などはすべて本書の中で解説されており、本書1冊で公式の内容が実践できるものとなっている。
本の中では豊富なチャート、事例が紹介されており、本文を読みながらそれらのチャートや事例を精査していけばかなりの実力がつくであろうし、公式という形で着眼点がまとめられているため、非常に実践的であると言えるだろう。
チャートの見方や、株の基本用語など、ある程度の知識がある方にはお勧めである。